モーニング娘。'17コンサートツアー春〜THE INSPIRATION !〜

4月29日に発表されたモーニング娘。17の工藤遥卒業、更にその前日にあったアプガの仙石みなみ佐藤綾乃の卒業発表と立て続けにアップフロント勢の卒業発表を受けたこともありかなりもやっとした気持ちで迎えた4月30日。俺ってなんでこんなにハロプロいつの間にか好きになってたんだっけ…、そしてそれもいつか終わるものかしら、とかもはやハロプロに対する恋愛思考の中で参加したライブですが、結果から言うと……最高でしたーーーーーー!!!(通常運転)

モーニング娘。'17コンサートツアー春〜THE INSPIRATION !〜
2017年4月30日(日)昼公演 15:00開演 夜公演 18:30開演
愛知県芸術劇場 大ホール (愛知)
出演:モーニング娘。'17

今回のライブは今まで観てきたモーニングの中で間違いなく1番素晴らしく、完成度という点では昨年のアンジュルム「九位一体」を凌ぐ出来だったと思います。何が素晴らしかったのかと言えば「歌とダンス」を最大限に魅力的に見せる、というベーシックなことに注力した結果、新しいステージの魅力の発見に繋がったという点で、これまでのフォーメーションダンスを端に発するその後のアクロバット、バトン、という誤ったパフォーマーへの甘え(スキルの誤った解釈)を捨て、歌とダンスで魅せる、そこに拘りきった演出には最大級の賛辞、感謝しかありません。世が世なら赤羽橋に向かって感謝の正拳突き1万回をする所でしょう。

特に次の3点、映像演出の劇的改善、タイトかつダンサブルな曲構成、そして巨人・佐藤優樹の発見が今回のライブでとても感動した点です。

 

映像演出の劇的改善、という点ではまずパフォーマーの歌とダンスを活かすことを第一とした演出であったこと、かつ映像は格好良いものを見せること、この2点において劇的な改善がされていたと思います。モーニング娘。のライブにおける映像演出といえば記憶に残っているのは一昨年の鞘師引退発表後の秋ツアー。終盤に流れた「ENDRESS SKY」で画面に大映しとなった渡り鳥の映像。気持ちは分かるんだけど唐突に現れた映像にえ、なんで?という思いが先行してしまい「泣くわけないでしょ泣くはずがない」と涙目で歌う鞘師に対して全く集中が出来ず、どっからこの素材持ってきたんだろうとか超どうでも良いことをライブビューイングで観ながらぼんやり考えてしまいました。

今回の映像演出に関して言えばそういったパフォーマンスと映像の乖離がほとんど無く、 集中して観ることが出来ました。基本的にはクラブのVJで見かけるような幾何学模様の映像が中心でたまに歌のテーマに沿った映像も出てくるのですが、一番良かった映像演出は「moonlight night ~月夜の晩だよ~」で巨大な満月がぐっ、と現れる映像。満月が右端からゆっくり現れるとその中心にいるメンバー達のシルエットもくっきり浮かび上がる、ポージングの美しさが映える演出。控えめに言って最高じゃないですか?  映像に関しては他にもフォントひとつひとつに気合が入っていたり、「女子かしまし物語」の映像も一人ひとり凝った作りになっていて(「大型新人出現」の文字が現れる加賀パートがちゃんとマティスEBっぽいフォント使ってたね…)ブラッシュアップの度合いが凄かったです。さらにさらに!「TOP!」の時の映像とダンスのコラボパフォーマンスとかね!俺が大好物なヤツですよ。飯が何杯でもいけるやつ!映像演出はそういったパフォーマンスを引き立たせる点に集中し、かつカッコいい映像を見せる、という気概が見えてとても嬉しかったです!

 

タイトかつダンサブルな曲構成に関しては観た方は全員答えるはず! 冒頭のマッシュアップメドレーが凄すぎた!と。いやぁ、もうあの冒頭だけでチケ代は返ってきてるから去年覚えた表現を使うとアレだな、実質無料だな。単純にマッシュアップさせた曲をメドレーとして歌う(それだけで凄いんだけど)、というだけでなく振り付け(フォーメーションダンス)すらマッシュアップでガンガン組み合わせていく。昼の部は3F席から観ていたのですが、曲もダンスも常に展開し続けているステージ上は戦場のようにあらゆる場所で常に何かが起こっている状態で、久々にとんでもないものを見せられている、という一人恐慌状態に陥りました、俺が。後半にもまたメドレーがあって…、一発目の「HOW DO YOU LIKE JAPAN?〜日本はどんな感じでっか?〜」のアレンジが今回めちゃめちゃレイジの「Guerrilla Radio」っぽいのでこれはもしやザック・デ・ラ・ロッチャが出て来るのでは…と思ったら石田が出てきてホント最高でしたね。全体のセットリストとしてもアッパーな、過去最高に踊れる内容でそりゃあ全力で愛されたい愛されたい叫びますよね。
(モーニングは毎回ハロコンやメドレー用に楽曲のアレンジしてるけどあれこそ会場限定とかで売って欲しい。先回のハロコンの「スカっとMy Heart」のイントロ部分が完璧に『24k magic』の影響でつけた感じのやつでホント最高だった…)

 

そして残り1点、今回の昼公演が終わった後、同行してくれた友達に興奮気味に伝えました。佐藤優樹をやっと発見したと。佐藤優樹(まーちゃん)、と言えば2017年4月30日に至るまでの自分にとっては何故か過大評価されている人物でした。しかしこの日のライブでは、自分の目を見開かれたような気持ちになりました。何故この巨人を今まで見過ごしていたのか、不思議で仕方がありません。3Fから観たまーちゃんは明らかに周りとは異質の存在感を放っていました。その日のうちに書いたメモをそのまま記載すると『フォーメーションダンス、という統率が要求される中でその動きから逸脱をしないまま自分だけの踊りを踊る。どう振り向けば、どう髪をかき上げれば、手を、足を、指先をどう伸ばせば(あるいは曲げれば)美しくその曲を表現出来るのか、それを考えているのではなくもはや「知っている」。考えない、「知っている」からそこに力みはない。究極のリラックスから繰り出されるダンス。』うん、どうかしてるね。しかし本当にそう思っていて、音に対する反応が抜群に早くて綺麗。これがダンス未経験者というんだから本当に恐ろしい。潜在能力としては鞘師超える可能性が本当にあるんじゃないか? と今では考えています。

モーニングに関しては鞘師のようなわかりやすい大エースがいなくとも総合力を高めることで物凄いグループになれるのでは…と思っていましたが、佐藤・小田の2人が超エースになる可能性を秘めており更に「努力の人」野中、牧野のような後身の成長がありそれら諸々の感情を「かわいい」という仮名4文字で圧し潰す横山の加入があったりと、あれ、考えたらこれからのモーニングめちゃくちゃ楽しみなんじゃない? と素直に期待もできるし何より語るに尽きないくらいめちゃくちゃ楽しいライブでした。ハロプロ運営の皆様、今回の方向性で大正解だから今後も是非お願いします!